大洗の記憶

 裸足になって、海の水に足を浸すだけでも、なんともいえず興奮していた思い出があります。空き缶に穴を開けて、針金を通して作った「入れ物」を全員持参していたので、そこに収穫物を入れては、友だちと自慢ごっこをしている人もいました。

 夏休みになると、地区の子ども会で、毎年どこかに日帰り旅行をする習慣になってましたが、その小学校の場合、どこの子ども会も、行先はほとんど「大洗海岸」でした。夏の海水浴の場合は、ずっと並んでいる「海の家」の一軒を予約しておいて、親たちはそこで待機しながら談笑していたり、子どもたちは、海に入って遊んでいたりと、丸一日、それはもう時間を忘れて、楽しんだ印象が、今でも残ってます。

わが心の大洗海岸|大洗町の歴史と自然を楽しむ会(田山 久子)より抜粋

エッセイ