大洗の郷土史

 もともと町名の由来ともなった大洗というのは、大洗磯前神社付近の特定の地区を指す地名でした。神社の森を大洗山と呼び、その下の奇岩怪石の発達した海岸を大洗岬、あるいは大洗下と呼びました。


 元老院の福羽美 静議官は、 明治 14(1881)年7月に宿泊し、潮湯治(海水浴)を行いました。これが確認されている大洗下における近代海水浴のはじめての例で、全国的に見てもかなり早い段階のものです。

 大洗下の海水浴旅館は、明治21年頃は木根屋・魚来庵・金波楼・小林楼の4軒しかなかったものが、明治26年頃までに風月楼と金波楼別邸を加え6軒に増えています。この事からも海水浴旅館は成功を収め、浴客が短期間で著しく増加した事を窺い知る事ができます。

海水浴の歴史|大洗町の歴史を見つめて(蓼沼 香未由)より抜粋

大洗の歴史